問診・診察
骨密度低下をきたす他の疾患の鑑別のための診察に加え、既往歴、内服薬、骨粗鬆症危険因子の有無、生活習慣・運動習慣、喫煙・飲酒の有無、家族歴、女性では閉経時期などについて問診いたします。
骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して、骨折しやすい状態となる疾患です。骨折しやすい状態になると、転倒して、手をついたり、尻餅をついたりする程度の、骨への軽い外力で容易に骨折するようになります。手首(橈骨)、背骨(椎体)、大腿骨近位部(脚の付け根)が骨折しやすい場所です。
「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」によると、骨粗鬆症患者数は、40歳以降に加齢とともに増加し、本邦では1280万人と推定されており、そのうちの約75%が女性です。関節リウマチも、「2020年リウマチ白書」によると、30〜50歳代の女性に好発する疾患で、患者様の約70%が60歳以上です。骨粗鬆症と関節リウマチは、合併しやすいことがわかります。
骨粗鬆症の危険因子は、年齢、性別、体重、骨密度が低い、骨折の既往、喫煙、アルコール摂取、グルココルチコイド薬の使用、骨折の家族歴、身体活動が低いなどです。リウマチ・膠原病患者様で、骨粗鬆症のリスクがありましたら、定期的な骨密度検査をお勧めいたします。
骨粗鬆症の診断には、問診・診察、単純撮影検査(レントゲン)と骨塩定量(骨密度検査)を行います。また、診断・治療の補助として、血液・尿検査を施行することもあります。
骨密度低下をきたす他の疾患の鑑別のための診察に加え、既往歴、内服薬、骨粗鬆症危険因子の有無、生活習慣・運動習慣、喫煙・飲酒の有無、家族歴、女性では閉経時期などについて問診いたします。
背骨(胸椎と腰椎)を撮影します。背骨(椎体骨)の骨折は症状に乏しくても、気が付かないうちに、いつの間にか骨折・変形して進行する場合があります。
骨密度を測定する専用の機器を用いて、腰の骨(腰椎)と脚の付け根(大腿骨近位部)の骨密度を測定します。当院でも、腰椎と大腿骨近位部の骨密度測定装置を導入しており、正確な骨密度の測定が可能です。
骨代謝マーカーと呼ばれる検査により、骨の新陳代謝(骨吸収と骨形成)のバランスを知ることができ、骨粗鬆症の原因と治療薬選択の参考にします。骨代謝マーカーは血液検査と尿検査により測定可能です。
さまざまな作用機序の治療薬があり、患者様に適した治療薬を提案いたします。